緑茶の抗がん、抗肝炎作用 炎症系遺伝子の発現抑制 | 春のべにふうき屋さん

緑茶の抗がん、抗肝炎作用 炎症系遺伝子の発現抑制

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静岡県立大学食品栄養科学部教授 伊勢村 護

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お茶の抗がん作用については、広く知られるようになった。緑茶や茶カテキンが発がんやがん転移を抑制することは多くの動物実験で確かめられており、例えば24件の抗がん作用に関する論文の中、22件でこの作用が認められたとする論文調査上の検証結果が、米国の栄養学専門誌に昨年報告されている。

ただ、ヒトについては最近の疫学調査の研究においても、緑茶飲用ががんリスクを「下げる」とする報告と「下げない」とする報告があって定まっていない。このように結果が一致しない理由として、飲用するお茶の種類、量、濃度などが十分考慮されていないことや、喫煙などの他の影響を完全に除くことができないことなどが考えられる。尿や血液を用いて、茶の摂取量を定量化した疫学調査研究が今後求められる。また、本コラム11月8日掲載の臨床試験の結果が待たれるところである。

最近、緑茶成分の遺伝子を介する作用として、「腫瘍(しゅよう)壊死因子アルファ(TNFアルファ)」に対する作用が注目されている。数年前に藤木博太博士らは、名前とは裏腹に、TNFアルファはがん進展を進める重要な因子であることを明らかにし、緑茶主要カテキンのエピガロカテキンガレートがヒトの胃がん細胞株のTNFアルファ遺伝子発現を抑制し、細胞からのTNFアルファの放出を抑制することが、その抗がん作用に深くかかわっていることを報告した。

筆者らも、ヒトのウイルス性肝炎に似ているラット肝炎モデルの実験で、カテキン強化緑茶ドリンクを飲ませると、肝炎誘導薬物の投与により上昇する肝臓でのTNFアルファ遺伝子発現が抑制され、肝障害が著しく軽減することを観察している。アメリカのグループも、肝臓の血管を結索して虚血したあと再灌流(かんりゅう)するというラットの肝障害実験において、茶カテキンを85%含む緑茶抽出物の経口投与が同様の効果を示すことを報告している。

どうやら緑茶の抗がん作用や肝障害予防効果には、茶成分によるTNFアルファ遺伝子発現抑制が大きく寄与しているようである。

掛川市立総合病院の鮫島庸一医師らは、肝がん移行へのおそれの高い難治性C型慢性肝炎患者にインターフェロン、リバビリン併用療法に緑茶を加えた3者併用を試み、9例中8例で有効という高い有効率が得られたと発表している。この場合にTNFアルファがどう絡んでくるのか筆者としては気になるところであるが、それはさておき、こうした臨床試験研究が今後ますます盛んになり、緑茶の効能の検証が行われていくことを期待したい。

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